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群馬県館林市
野外上映会「SORANOMONシアター」

 

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前橋支社

お客さまアドバイザー

野外シアターで人と人をつなぎ、
「子どもも大人もワクワクできるまち」を未来へ。

2023年、創業100周年を迎えるフコク生命。その100周年に向けたフコク生命像である「THE MUTUAL(ザ・ミューチュアル)-次代の"相互扶助"を考える-」というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいます。「THE MUTUAL」とは、共感・つながり・支えあいであり、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のことです。

今回は、群馬県館林市で「THE MUTUAL」な活動に取り組まれている石川京子さんに、前橋支社のお客さまアドバイザー(以下、お客さまAD)がインタビュー。石川さんは、旧城下町である館林市内にある長屋門にて野外上映会「SORANOMON(空の門)シアター」の実行委員長。野外での映画上映を通して、人と人とのつながり、そしてまちを盛り上げるワクワクをつくり出しています。

取材の2日前には、コロナ禍でも安心して楽しめる「ドライブインシアター」にも挑戦された石川さん。新たな取組みの原動力となったまちへの想い、子どもたちへの想いについてお話を伺います。


何もなくて「つまらないまち」だと言いたくないから
当事者になってまちづくりをはじめた。

お客さまAD 早速ですが、館林市で「SORANOMONシアター」をスタートしたきっかけを教えてください。

石川さん(以下、石川) きっかけは、2018年12月に開かれた「リノベーションスクール@館林」に参加したことでした。館林市の未来を想像しながら、空き家や空き地の活用プランを考える3日間の取組みです。

お客さまAD なぜ、リノベーションスクールに参加してみようと思われたのでしょうか?

石川さん まちづくりに携わっている方のお話を訊く機会があって、そのときの言葉が心に響いたんですね。「館林は何もなくてつまらないまちだとよく言うけど、そのつまらないまちをつくっているのは自分なんだよ」。それを聞いて、私自身がそうだったと気付かされたんです。
館林で生まれ育ったものの「何にもない田舎」が嫌で進学を機に上京し、子育てをきっかけに戻ってきても、相変わらず何もないまちだな⋯⋯と思うばかり。ただ、自分一人なら「つまらないから」と引っ越してもいいですが、子どもたちにとってはこの館林が故郷になります。まちづくりを人任せにせず、まず、親の私自身が当事者となって「面白いまちでしょ」と子どもに誇れるまちにしたい。そんなことを考えたタイミングで、リノベーションスクールの開催を知りました。少しでも自分が当事者となって、面白いまちづくりがしたいという想いで参加を決めたんです。

お客さまAD 空き家や空き地の活用プランを考えるということですが「空き地」を担当することになったのですね。

石川さん そうですね。江戸時代の武家屋敷街の雰囲気を伝える「長屋門」と、その立派な門をくぐった先に広がる空き地です。スクール中、「実は昔ここに映画館がいくつもあって、賑わってたんだよ」と、地元の方に教えていただいたことが「SORANOMONシアター」のはじまりと言えるかもしれません。その映画館がなくなって以来30年、館林市に映画館は1つもありません。映画が観られる環境を復活させたいと、プロジェクトメンバーと話がまとまりました。

ただ、子どもと映画館に行くのはかなり抵抗感があります。騒いだり、2時間じっとしていられないんじゃないかと心配で⋯⋯なので、子育て中の母として、お子さんが歩き回っても「まぁいいよ」と許しあえるような雰囲気の野外シアターをつくりたいという想いをメンバーには伝えました。

お客さまAD 「SORANOMONシアター」という名前が、また素敵ですよね。

石川さん ありがとうございます。メンバーで最初に長屋門をくぐったら、空しか見えなかったんです。でもその空が印象的で、この場所が、未来へ続く門になってほしいという意味も込めて名付けました。名前もロゴもとんとん拍子に決まり、プロジェクトメンバーがそのまま「SORANOMONシアター実行委員会」に。2019年4月の初上映に向けて準備を進めることになりました。

SORANOMONシアター実行委員会のみなさんと長屋門をモチーフにしたロゴマーク。

プロジェクトの中断。
危機の先に見つかったコンセプト~地域密着型異空館~

お客さまAD とても順調ですね! 実際、映画が上映されるまでについても教えていただけますか?

石川 そこからが意外と大変でした⋯⋯プロジェクトメンバーのうち館林在住なのは、私ともう一人だけ。みなさん仕事や学校があって両立が難しく、メンバーが少しずつ減ってしまいました。4月はひとまず内々のプレ上映にしようと決め、お友達のママさんなどボランティアメンバーの助けを借りてようやく実現できました。
子どもから大人まで70名ぐらい集まりました。お子さんがスクリーンの前を横切ったり、大きい声でワーッと歓声をあげていて。でも、普通の映画館とは違うその雰囲気が「『SORANOMONシアター』らしくていい」とみなさんよろこんでくれたんです。その笑顔に感動したとともに、これでいいんだと自信を持てたことを覚えています。

お客さまAD プレ上映ができて、ようやく長屋門エリアでの本格上映に動き出せるのですね。

石川 それも紆余曲折あって(笑)。メンバーが減ってしまい上映会を開催できる体制ではなくなってしまい、まずはメンバーを募集しました。有り難いことに1名入会してくれて、それと同時期に、観光課の担当者の方から「市内のつつじが岡公園を盛り上げるイベントとして上映会を企画できないか」というお話をいただいたんです。Wi-Fi環境なども整っていましたし、屋根がある環境での屋外上映(建物の外)ですし、新メンバーを迎えた上映会の経験を積みたかったこともあって、第1回目の上映会は長屋門ではなく、まずつつじが岡公園内にあるシュガーヒルカフェテラスでの上映会を決めました。
そのとき上映したのは、ラグビーを通じて子どもたちの成長を描いた「グラス☆ホッパー」というまち映画でした。群馬県太田市と大泉町が舞台で、スタッフも出演者も地元で募集したという、まさに地域でつくられた一本。「知ってる子が出てる! 見たことある景色が映ってる」とみなさん盛り上がって⋯⋯このとき、「地域密着型異空館」というコンセプトが固まったんです。
この時に出会ったプロデューサーさんから教えていただき、群馬県内で撮影されているまち映画が他にもたくさんあると知ったんです。映画の撮影でもまちは盛り上がりますが、その映画を上映することも、さらなる盛り上がりにつながるはずだと感じました。
「異空館」というコンセプトには、自由なスタイルで映画を楽しめる空間にしたいという想いを込めています。
テントやハンモック、ベッドのようなソファーを置いたりして、ずっと静かに座らなくてもいい空間を作っていこうということですね。あえて「館」という漢字を使ったのは、空間にまるで館があるかのように、そして館林の「館」という意味合いも込めました。

コロナ禍でもできることをチームで模索。
子どもも大人もワクワクできる、感動の時間を。

お客さまAD コロナ禍が深刻になり、映画上映に影響はありましたか?

石川 2020年5月に第2回野外上映会を予定していましたが、緊急事態宣言もあり、イベントを開催して人を集める事が厳しくなり、中止を決めました。
しかしそんなコロナ禍でも楽しめる方法がないかを考え、ドライブインシアターの実現に向けて公的機関に提案したり、申請をしたりと活動を続けていました。そんな中、イベントの開催条件が少し緩和されたんです。そのためドライブインシアターの前に、5月に中止した野外上映会を10月に復活させることにしました。

お客さまAD この上映会は、たくさんの店舗に協賛いただいているのですね。

石川 はい。まず、長屋門付近の飲食店さんにお声がけしました。「長屋門でそんなイベントできるんだ、ぜひやって!」といった応援をたくさんいただけました。群馬県の自動車保有率は全国トップクラス。車が入りづらい中心市街地に人が集まるだけでも、お店の方々としては喜ばしいことだそうです。飲食店以外の店舗さんの場合、映画上映での直接的なメリットは薄いのですが「このエリアが活気づくのであれば」と快く協賛くださるお店ばかりでした。まちのみなさんが、まちを盛り上げたいというわたしたちの想いに共感くださっていることを実感しました。

お客さまAD 映画を見に来られたお客さまの反響はいかがでしたか?

石川 まず、夜の外出というだけでワクワクする。星を見上げながら、夜のピクニックを楽しんでいるような時間がうれしい。コロナ対策で人と人との距離はありますが、夜空の下で人が集って同じ映画を見ている。そういった時間を過ごせて満足したというお声をたくさんいただきました。
一昨日実施した、ドライブインシアターもよかったです。子どもも、「映画館の雰囲気も味わえるし、自由に食べたり飲んだりできるし、映画を見て思った事などを気兼ねなくおしゃべりできて楽しい」と言ってくれました。

お客さまAD 面白いまちにしたいと行動されて、お子さんが実際にまちでのひとときを楽しんでいるって素晴らしいですね。

石川 楽しんでくれて、ほっとしましたね。子どもは開催までの苦労を間近で見ていることもあって「あんなにダメだダメだって言ってたのに、よくできたじゃん!」って褒めてくれました(笑)。

10月のイベント開催の様子。子どもから大人まで笑顔があふれるイベントでした。

「これからも、顔の見える関係性を大切に。
空き地からはじまる「おもしろい」まちづくり。

お客さまAD 「SORANOMONシアター」として今後実現してみたいことがあれば、教えてください。

石川 まず、ドライブインシアターの本格上映を実現したいです。コロナ禍でも開催できますし、夜間の野外上映会は寒かったという意見が結構あったんです。真夏と真冬はドライブインシアター、過ごしやすい春や秋は長屋門での上映と、年4回ほどの定期開催ができたらと思っています。定期開催することで、市民の方への定着を図っていきたいです。
また、今回館林のふるさと納税返礼品として、SORANOMONシアターのペアチケットや、エンドロールメッセージ投影チケットを用意しました。故郷館林を離れてお住まいの方々などにも、ふるさと納税を通じてSORANOMONシアターの事を知って頂き、ファンを増やしていけたら良いなと考えています。ファンがついてくださり資金がたまったら大きなスクリーンを用意するなど環境面も充実させたいです。まずは、まちの方々に興味を持っていただくことから始めたいです。

お客さまAD お話を伺っていると、「SORANOMONシアター」の活動も、わたしたちが携わる保険の仕事も、人と人とのつながりがあって成り立っていると感じますね。

石川 そうですね。「SORANOMONシアター」は、地域密着型のよい空間をつくっていきたいという想いで動いています。保険のお仕事も、地域のお客さまの人生設計をサポートすることでよりよい地域の暮らしを支えている。共通点を感じます。

お客さまAD 石川さんたちの活動に、フコク生命として支援できることはあるでしょうか。例えば、当社で「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」という子育て情報サイトを運営しているので、そういったものを活用したり⋯⋯。

石川 ドライブインシアターで、子育て中の方が学びたい映像を流したりするのも面白いと思います。「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」のサイトには、アミューズメントパークの割引チケットといった特典が用意されていました。ここに「SORANOMONシアター」の割引ペアチケットが用意されていても素敵だなと思いました。ドライブインシアターなら、赤ちゃん連れでも参加しやすいので子育て世代に喜んでいただける気がします。

お客さまAD これからも、人と人とのつながりやワクワクをつくりだす「SORANOMONシアター」の活動を応援できたらと思います。では最後になりますが、石川さんが考える「THE MUTUAL-次代の相互扶助-」について教えてください。

石川 「SORANOMONシアター」でも「地域密着」というコンセプトを掲げていますが、私にとって助け合える関係性は、顔の見える範囲から築いていくものだと感じています。本当に小さなことですが、回覧板をあえて子どもたちが持っていき「この子が石川さん家の子なんだ」と知ってもらったり、子どもも挨拶することで「あのお家にはこういう人がいるんだ」と知ったり。そういう小さな接点を持ち続けることで、何かあったときにはお互いが気にかけられる関係性が生まれるんじゃないかと思っています。きっと「次代の相互扶助」って、昔あったような「おとなりさん同士のつながり」を意識的に持つことなのかもしれませんね。

昨年11月に開催したドライブインシアターの様子

編集後記

前橋支社 お客さまアドバイザー

「つまらないまち」にしているのは自分。自分を始め、住民ひとりひとりがまちづくりの主人公になれば、面白いまちにできるという発想に転換をし、実際に行動されている石川さんの姿に感動しました。大人がこのまちを楽しんで、盛り上げようとしている姿を子どもたちに見せていけたら、まちは少しずつ面白く変わっていくのかなと感じました。わたしたちお客さまアドバイザーは、感染防止対策を講じた上で、Face to Faceの活動をしています。「顔の見える関係性を大切に」との石川さんの言葉には強く共感しました。子育て世代の暮らしに役立つコンテンツなどを考え、「SORANOMONシアター」の活動をサポートできたらと思います。

※マスクを着用していない写真は、撮影時のみ外して撮影しています。